スタジオ作例

雑貨・小物を撮る!誰でも簡単にハイクオリティな物撮りができるセットを組んでみた

Prologue

物撮り、またはプロダクト撮影は、写真ジャンルの中でも特に技術と創造性が求められる分野です。

誰だってクオリティの高い写真は撮りたいと思いますが、そのために覚えることはかなり多いです。そこで今日は、一眼レフを使った物撮りにおいて、ひとまずこのセットを組んでおけば大丈夫!といった1例をご紹介しつつ、物撮りにおいてのポイントを書いていこうと思います。

撮る前に整理したい機材

物撮りには、以下の基本的な機材が必要です。

・カメラとレンズ
・ストロボ・もしくは自然光の入る空間
・リフレクター( レフ板など光を反射させるためのツール)

それぞれ詳しくみていきます。

カメラとレンズ

物撮りにおいてカメラは質感を表す重要なファクターです。どんなカメラでも良いですが、できる限りセンサーの大きいもの(APS-Cよりはフルサイズ)をつかうとよいです。

ただ、しっかりライトさえ組めていれば基本的にはどんなカメラでも問題ありません。

レンズについてももちろん狙いたい構図によりますが、迷ったらゆがみの少ない50mm、85mmを使うと良いです。

小さい物撮りの場合はマクロレンズを使いましょう。マクロ機能のない通常のレンズは被写体に近づくことができず、注視したいこだわりのポイントなどが写せないパターンもあります。

ストロボ・もしくは自然光の入る空間

物撮り、というか写真撮影において一番重要なのは”光”です。

綺麗な自然光があればそれだけでも問題はないですが、その場合は窓からの直射光ではなく

・レースカーテン等光を柔らかくする
・朝の時間帯で抜け感のある光を取り込む

などに気を配ると良い画を撮ることが可能です。

ストロボも、基本的には安価な物でも問題はありません。ただしカメラ内蔵のものは避け、極力外部接続型のストロボを購入することをお勧めします。

Godoxのクリップオンストロボであれば小さく、しかも1万円以下で購入が可能です。

Godox TT520

大きいものですとモノブロックストロボというものもあります。こちらはスタジオにおいてあるようなプロユースのストロボで、クリップオンストロボよりも光量や光の質のコントロール幅がひろがります。

精緻な表現、たとえば細かい光の表情が重要なエンボス加工をしていたり、パッケージの質感を妥協なく写したい、そういったニーズに答えられるものにはなりますが、個人で所有するには値段も大きさもオーバーなものが大半なので、それ自体をレンタルするか、モノブロックストロボが置いてあるスタジオをレンタルすることをお勧めいたします。

クラフトコーラを撮ってみた!

正直な話撮るものによってかなり求められる知識とセットが違います。例えば大きい車の撮影も言ってしまえば物撮りですし、反対にひとつのビーズだって物撮りです。

大きさや質感によってあまりに揃えるべき機材が変わってくるということもあり、一つ事例をもとに学んだほうが良いと考え、実際にスタジオで組んでみました。

肝心の撮るものは”クラフトコーラのビン”です。

要素としてガラス、液体、ラベルがあり、撮影自体は簡単ですがどれもこだわろうとすればどこまでもこだわることが可能な要素ですね。

今回はそんな物撮りの一連の流れを、スタジオ プロローグにおいてある機材を持ってステップごとに紹介していきます。

STEP 01:土台のセット

いきなりストロボ!というのは少々早いです。何事も基礎から。というわけで物撮りの土台から作っていきましょう。

床、テーブル、台座、何を土台としても良いですが、今回はソーホースセットを使います。

使い方は簡単。この上に天板を乗せるだけ。

完成です。簡単でしょ?もちろんテーブルでも問題ないのですが、天板の大きさ別でセットできるため、ソーホースセットを一つ持っておくと便利です。折り畳み机とかでももちろん構わないと思います。

STEP 02:背景紙のセット

お次は背景紙。白・黒・他さまざまな色等々多種多様な壁紙が存在します。大抵は白を背景にしておけば問題ないですが、今回はクラフトコーラのラベルがネイビーということもあり、背景紙もそこに合わせて深い青色のものをチョイスしています。

センチュリースタンドというスタンドを使い、アームに背景紙を通してセット。あとはさきほど用意した土台の上に紙をたらすだけになります。

その際、画像のようにR(角丸)を残しておくとよいでしょう。パッキリ地面と壁の区切りをつけてしまうと、背景の使い勝手が落ちてしまうかつ、物撮りには少々余計な要素として壁と床の区切りが気になってしまうということにもなりかねません。

背景紙を垂らす際はこのように洗濯はさみなどで固定すると、ずるずる落ちるのを防ぐことができます。

STEP 03:被写体・小物のセット

土台と背景をセットし、ようやく被写体を用意していきます。

被写体の雰囲気に合うようにあらかじめ用意した小物をああでもないこうでもないといいながらも細かく配置していきます。

このタイミングで、三脚にカメラを乗せてファインダー越しに写りを気にしながらセットしていくとよいかと思います。

必要であればプロップ(発泡スチロール)やアクリルなども用いて、世界を作っていきます。

STEP 04:ライティングのセット

簡単に組めるように、ということで今回は1灯だけで組んでいきます。使うものはモノブロックストロボと、ソフトボックス(グリッド付き)。

配置する前に、一度iPhoneのライトを使ってあれこれ照らしてみるといいと思います。ストロボも重いので、微調整前にざっくりどこを光らせればいいのかシミュレーションすると良いです。

配置は結構近めに被写体の横へ配置します。

反対にレフ板を用意。これで完成です(簡単だね)!

地味に重要なのがレフ板でして。これがあることで向かって右からくるストロボ光を跳ね返し、ビン全体に光を回すことができます。

レフ版なしだと、ラベルの片側が落ち過ぎてしまうことがわかります。

モノブロックストロボはレシーバーという無新規をつけ、光らせるだけ。この際に部屋の照明が干渉しないよう、明るくしすぎないようにしましょう。

STEP 05:小技で雰囲気を出していく

ライトのセッティングが終わったら、あとは細かく詰めるのみ!ビンの下にアクリルを引き、清涼感を演出するためにあるものを使います。

それが100円ショップで買ったスプレーボトル!

このボトルに水道水を入れ、アクリル板に吹きかけるとあら不思議。細かい水滴がアクリルに付着し、まるで氷の上に載せたかのようになりました。

このように細かい小技をつかって、シズル感(おいしそうに見せる感覚)を演出していきましょう。

まとめ

撮影後の現像処理も物撮りには結構重要となってきます。パッキリして強い印象にしたり、今回のようにマットな感じで調整して大人なイメージを演出したり。

最近は写真を編集できるツールも増え、簡単にクオリティをあげることができるようになりました。その中でも差をつけるにはやはり簡単でもいいのでその被写体用にしっかり環境をセットし、撮影して元素材を入手することが非常に重要と考えています。

ちなみに今回使用した機材やスプレーなどの小物も全てプロローグに置いてあるもの等になります。

もし物撮りに挑戦したい方がいましたらわたしたちのスタジオ、プロローグを利用してみてくださいね。

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