撮影ハウツー

アパレル撮影でデザイナーがカメラマンに伝えたほうがいいコトってなんだろう

Prologue

最近、スタジオプロローグではアパレル関係の方のご利用が増えており、知見も溜まっています。

そこで、今日は特にファッションデザイナーさんに向けて、「フォトグラファーやビデオグラファーに対して何を伝えれば良い撮影になるのか」という切り口で、整理していきます。これを読んだ方の撮影がより楽しく効果的になるようなお話しです。

1. コンセプトとテーマを伝える

ファッション以外にもあらゆる撮影に言えることなのですが、なにはともあれコンセプト!

例えば、”ゆらめく布”、”心地の良い水面”などが表現のコンセプトにある場合、そのコンセプトを聞くだけでクリエイティブの方向性を定めるきっかけとなります。

水面って言ってるのに都市部の夜景バックに撮影、まったく水面感がないじゃん!となったらコンセプトとちぐはぐですからね。

フォトグラファー側から端的に商品の輪郭を掴めるようなコンセプトがあると、ほどよいルールのもとクリエティブを発揮できます。

クリエイティブって自由度が高ければ高いほど実は難易度が高く、ほどよく縛りがあったほうが良いものができるんですよね。そのためにも複数人にその商品のコアを伝えるためのコンセプト、が重要になってきます。

テーマまで決められたら素敵ですね。
まずはコンセプトがあり、それをどんなテイストで表現するかを規定します。
ヴィンテージスタイル、モダンなミニマリズム、または季節ごとのファッションなど、この決定が撮影の方向性を決定し、撮影場所、モデルのポージング、メイクアップやヘアスタイルに反映されます。

これらの情報が整理されていればされているほど、チーム全体が統一感を持って撮影に取り組むことができます。

2. モデルの選定基準

正直コンセプトが決まってれば、それに準じて色々決めていけばいいのですが、しかしそれにしてもコンセプトを掻き消すほどのモデル力を持った人もいます。それくらいモデルも重要です。

ここはフィーリングですが、カジュアルなスタイルの場合は、リラックスした印象のモデル等雰囲気の選定は簡単ではありますが、注意したいのが、

・ファッション
・広告

それぞれの得意領域によって持っているスキルが違います。ランウェイを歩くスキルと、スチル(静止画)のポーズのスキルは求められる観点が全く違いますので、モデルだったらなんでも良い!というわけではなく本人が何に自信を持っているかをちゃんと見極められたら素敵ですね。

あと特筆しておきたいのが、”目”です。

モデルという概念を構成する要素はいくつもありますが、特段目に関しては写真において強い力を持ちます。

もちろん多少メイクでテイストは操作できるものの、切れ長の目に強い印象のアイメイクを載せた方が、そうでない場合よりもはるかに強い写真に仕上がります。

ただ、これはモデルさんへ伝えることかもですが、目は操作ができます。

かの山口小夜子さんもおおきな目の持ち主ですが、その印象は切れ長の日本的な目。これは現場では常に細目にして印象を演出していた背景があります。自分にはやりたいテイストの目の雰囲気がない、という諦めをするのではなく、できる範囲の演出は考えていきたいですね

3. フォトスタイリング

ファッションなので衣服が中心ではありますが、小物、背景などのスタイリングもあると華やかになります。フォトグラファーにこの部分を相談してもよいですが、小物の多いスタジオをチョイスするのは一つの手でもありますね。

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はい、宣伝です・・・笑
うちのスタジオは小物が結構ありますよ!

4. ヘアメイクのテイスト

ヘアメイクもファッション撮影の成功に大きな影響を与えます。衣装やテーマに合わせて、プロのヘアメイクアーティストがモデルのルックを仕上げます。自然なメイクが求められる場合もあれば、強調されたドラマティックなルックが必要な場合もあります。ヘアスタイルも同様で、全体の雰囲気を引き立てるように工夫します。

5. ライティングの方向性

写真は英語でphotograph、これはphoton(光)とgraph(画)が言葉の由来です。つまり、光を取り込んで絵を作るようなもので、写真において光と影はずば抜けて重要な要素です。

スタジオ撮影の場合はライティングに自由度が出ますので、もし光の扱い方で参考の写真があるのであれば、それを見せても良いですが、なかなか光の観点で参考を探すのは難しいので、

・硬いか柔らかいか
・冷たいか暖かいか
・全体的に明るくしたいか部分的に際立たせたいか

等を伝えると良いです。

終わりに

というわけでいくつかフォトグラファーに伝えたいことをまとめてみました。
もちろんそれ以外にも、フィーはどうするかとか、この写真はどこに使うのかとか、スケジュールはどうするかとかの基本的な部分はあると思いますが、合わせて今回の記事の内容を伝えれば、良い撮影になると思います。

ファッション撮影は楽しいですが、抽象的な進行をすると揉める原因になることもしばしば。先に抑えるところだけ抑えて、楽しみながらも良い結果に持っていきましょう1

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